体に悪い「硝酸態窒素」という物質が、身近な野菜に含まれている・・・。
という話は、巷ではあまり知られていない事だと思います。
ザックリした理解ですが「硝酸態窒素」の害を説明すると、こうです。
農作物を栽培するときに使われる肥料のうち、作物が消化できなかった「硝酸態窒素」が組織内に残る。
そして「硝酸態窒素」は人体の中で有害な「亜硝酸窒素」に変わり、人体に悪影響を及ぼすそうです。
これが驚いたことに、特に有機野菜に多く含まれ、これが発がんリスクを高めているというのです。
おまけに「硝酸態窒素」は収穫物に留まらず、土壌や水にも残ります。
地下水に染み出して、水質汚染につながっているようです。
有機野菜「危険視」派の主張
「硝酸態窒素」については、無農薬りんごの栽培に成功した事で有名な木村さんの著書で知りました。
硝酸態窒素が大量に摂取された場合、体内で腸内細菌によって「亜硝酸態窒素」に還元される。
そして亜硝酸態窒素が血液中のヘモグロビンを酸化して「メトヘモグロビン」を生成し、メトヘモグロビン血症などの酸素欠乏症を引き起こす可能性がある。
さらに亜硝酸態窒素は「2級アミン」と結合して発ガン性物質の「ニトロソアミン」を生じる問題が指摘されているそうです。
聞いた事もない言葉が飛び出しましたが、これは硝酸態窒素を大量に摂取した場合の話です。
おまけに安心・安全であるはずの有機野菜にも危険が潜んでいるという話には驚きました。
有機肥料の中には「未熟」な状態の場合があって、未熟な堆肥を使うと「硝酸態窒素」が作物に残りやすいんだとか・・・。
ところが堆肥を完熟の状態にするには、数ヵ月かけてじっくりと発酵させる必要があるとかで、けっこう大変なようです。
だからその手間をかけられない所では、逆に「体に悪い」野菜を生産しているという事になる訳です。
有機野菜「だいじょうぶ派」の主張
農林水産省の「食品安全に関するリスクプロファイルシート」に、日本の野菜の硝酸性窒素量を計測したデータが発表されていました。
(データは古いです・・・)
ほうれん草や小松菜の「最大値」などは、EUの基準の倍を上回っています(^_^;)
ただ「平均値」は超えていませんでした。
EUの農産物の基準は厳しめなので、いちおう合格という事でいいかもしれません。
特に葉物野菜のリスクが高いようなので、一度自分たちが食べている野菜を計測してみたいところです。
有機野菜、わたしの落とし所
今のところ、念の為に体に悪いらしい有機野菜の作物は買わないようにしています。
本当は「完全無農薬」で「無肥料」の『自然栽培』の作物を購入できれば良いのでしょうが
今のところ『自然栽培』の食品は、有機野菜よりも高価になっているのが現状です。
『自然栽培』のブランド化したような価格は敷居が高すぎて「有機野菜は体に悪い」説は自然栽培派のマーケティング戦略に見えなくもないです。
ただ、農協を通さずに農家から直接購入できる 食べチョク などのサイトでは、自然栽培の野菜はだんだん敷居が低くなってきました。
「共同購入」などを利用して送料を抑えることで、庶民にも手の届くものになりつつあるのは嬉しい限りです。