巷で手に入る農産物の種は、ほぼ「F1」という一種の「遺伝子組み換え作物」みたいなもので占められているようです。
もはや日本には、固定種の野菜なんて無いんじゃないか?と思っています。
ただお米や麦・大豆などは、政府が種を管理していたので「品種改良」に留まっていると思います。
ただ種子法の廃止や種苗法の改正で、今後どうなって行くのか分からないというのが現状です。
「危険視」派の主張
タネの問題は、けっこう根が深いというか、いろいろと考えさせられる所があります。
いま、世界中の農家が使うタネのほとんどは「F1」という、一世代限りしか使えないタネです。
そしてF1の中でもオシベがない「雄性不稔」タイプが増えているらしいです。
「F1」のタネは、同じ規格のものを大量に作るにはうってつけです。
収穫も出荷もしやすいため、ビジネスとしての農業には無くてはならないものになっています。
逆に昔ながらの「在来種」や「固定種」と呼ばれるタネは多様性があって、効率も売上も悪くなってしまいます。
とはいえ種を採って蒔くことで、種を買い続ける必要はなくなります。
それでも「F1」の種を採用するということは、農家にとってはメリットが大きいという事ですね。
ただこのタネは、長い目で見ると色々な危険をはらんでいます。
自然の摂理に反した植物の存在が、自然の循環をゆがめてしまう。
F1種を作る方法は企業秘密で、健康に与える影響はまだ未知の部分がある。
種を作る側と買わされつづける立場で、力関係が増大する。
などなど・・・じつは「遺伝子組み換え作物」とともに、まったく楽観視できない危険をはらんでいると思いました。
「だいじょうぶ派」の主張
どうやら、遺伝子組み換えとF1の違いは、歴然としていることが分かりました。
「遺伝子組み換え作物」は、ある一つの個体のゲノムに、何かの生物から切り取った、遺伝子を含むゲノム断片を組み込んで育てた植物です。
一方、F1は二つの植物をかけあわせてできた子供ことです。
具体的なやり方は・・・
形などが似ている「縁の近い集団」を選んで、栽培を続ける。
集団の形のバラツキが小さくなったら、その集団どうしを親にして人工交配する。
こうすると、植えたときに姿形が似た種が出来る。
つまり、これは「品種改良」というわけです。
そして、こういう分かりきった事実の認識を歪めて混乱させ、日本の種子産業の発展を阻んでいるのは既得権益だという見方もあるようです。
昨今の「種苗法の改正」への反対運動などもその一環で、政府が農業を支援したり逆に規制をかける事で、日本の農業は国際競争力を失っているという警鐘を鳴らす人もいます。
わたしの落とし所
いままで種に関しては、正直どうにもならないと思っていました。
ただ「F1種」であっても、アメリカなどで栽培されているいわゆる「遺伝子組み換え」の作物よりは安全ではないかと思うくらいです。
ところが最近 食べチョク などの産直サイトで「固定種」というキーワードをよく見かけるようになりました。
まだそういう作物を栽培している生産者がいらっしゃったのですね。
これは嬉しい発見でした。
農協を通さない流通が、今後ますます発展する事を願うばかりです。
今のところ送料が一番の問題ですが、家族とシェアしたり保存食にする事で、少しづつまとめ買いできる方法を編み出して行きたいと思っているところです。